決勝ヒートは手に汗握る大接戦! ヒートスタートの1本目から互角の勝負を展開した英義とマー。しかしマーが2本目でバックサイドリップの4連発で8.4をマーク。さらに続けて3本目では同じくバックサイドリップ2発で7.35。あっという間に英義は8.26のビハインドを背負わされてしまった。だが、このまま押し切られる英義ではなかった。相手のマークをスルスルッとかわしてつかんだ4本目。研ぎすまされた集中力が一気に爆発。渾身のオフザリップ6連発で8.75 を叩き出し大逆転。当然ながらムラサキ応援団は大絶叫&大興奮。残り時間はヒート時間半分の約15分を残していたが、ムラサキ応援団の祈りが天に通じたのか、運命は英義に味方したのか、セットはピタリとやんだまま。優先権を握ってはいた大野マーは再逆転を狙いじっとセットが入るのを待ち続けたが、ついにタイムアップで決勝ヒート終了。
振り返ってみれば今季第3戦伊良湖ではセミファイナル、第4戦新島ではファイナルのマンオンマン、さらに第5戦茨城ではセミファイナルのマンオンマンと、直接対決で3連戦続けてマーに苦汁を飲まされていた英義がついにリベンジ。今季初優勝を果たしたのだった。
シーズン全戦優勝でグランドチャンピオンという前代未聞の大記録は生まれなかった。それでも、スポンサーが特注したスワロフスキーがちりばめられたチャンピオンズキャップとともに、大野”マー”修聖というプロサーファーが見せつけてくれたパフォーマンスは偉大な記憶となって語り継がれることは間違いない。
地元鴨川でグランドチャンピオン3連覇を決めた庵原美穂。決勝ではさすがに勝ちを意識したのか本来のパワフルリップが不発。本人にとっては悔しいかぎりの準優勝に甘んじた。しかしパフォーマンスの切れとパワー、さらには勝負所で発揮される勝負勘は女子NO1であることは揺るぎない事実。来シーズンもグランドチャンピオン候補の筆頭であり、女子プロ新記録となる4連覇に期待したいところだ。
女子最終戦を優勝で飾ったのは高校1年生の田代凪沙だった。トライアルから勝ち上がりR3をトップで勝ち上がりプロ資格をゲットしたばかりなのに、続くR4のトップシード戦を谷口絵里菜に次ぐ2位で勝ち上がり、R5ではグランドチャンピオン争いを切り広げる庵原美穂と野呂玲花を相手にトップ通過、さらにセミファイナルでは女子選手会長の谷口絵里菜をマンオンマンで下して決勝進出、そして決勝戦では3度目のグランドチャンピオンを決めたばかりの庵原美穂を相手に堂々のリッピングで本日2度目の勝利。女子チャンピオン達を次々に撃破し、まさに実力でもぎとった初優勝であり、橋本小百合、大村奈央に続く強力ルーキーの登場で、さらに来シーズンが楽しみになった。