大澤伸幸はプロ人生の節目となる1勝を挙げた。
グランドチャンピオンとはなったものの、昨年度は優勝数ゼロとなり計り知れない悔しさを噛み締めていたが、これで名実ともにチャンピオン資格を勝ちとったノブ。8点のハイポイントを握ってリードするヒデヨシを決勝ヒート後半ではね返したのはノブの優勝への激しい執念だった。
ノブ初優勝への道は厳しかった。まず最初に立ちはだかったのはヘビー級となったベテランプロには敬遠したくなるフラットコンディション。活きのいいリッパーだけが勝ち残れる極限スモールフラットコンディションを生き残り、セミファイナルまで勝ち残ったのは、田中樹、田中英義、林健太、椎葉順、中村昭太、高梨直人、大澤伸幸、そしてプロ21年目となる95’グランドチャンピオン小川直久だった。
注目の伊豆ローカルプロは小川啓、今村厚がクォータ戦で敗退となったが、コンテストディレクターの今村大介が軽快なラインでスラッシュして健在振りをアピール。5年振りにコンテスト復活を果たした大野仙雅は得意のリッピングを重ねて、ローカルサーファー達の応援は一段とヒートアップした。
ハッキリとしたロータイドになって、やっとブレイクがつながりだした多々戸ビーチ。真ん中のサンドバーを挟んで左からのレフトでハイポイントを叩きだすことが勝利への絶対条件。ファイナルでは、ヒデヨシ、ジュン、そしてノブと、ごく限られたクリティカルセクションをバーティカルに抉りこむバックサイドリッピングが次々に繰り出されて、30周年となったJPSA開幕戦は大興奮の結末だった。
勝利の美酒を味わった橋本小百合。苦手のスモールコンディションを耐えてつかみ取った優勝に笑顔がはじけた。