波乗りでん助

~ サーフィン総合研究所 ~

辻裕次郎が強い。チャンプの貫禄ついてきた。

5月 25th, 2010 · No Comments

鴨川で開催されたJPSA第2戦ビーチサウンドプロで辻ユージローが鍛え抜いたパフォーマンスを爆発させて完璧な独走優勝。クォーターファイナル、セミファイナルと誰にも負けない断トツのトップ通過でファイナルに勝ち上がる様も見事だったが、30分のヒート時間でスタートしたファイナルも最初の10分でベスト2をバチバチと決めるという快進撃&ぶっちぎり優勝。辻ユージローの時代の到来を、いよいよ感じさせてくれた。
小雨の振る中で始まったファイナルヒート。開始直後からスタートダッシュを効かせ、川前正面でテイクオフを重ねるユージロー。それに対して、ジェイソンと小川直久は岩前のレフト、ノブはユージローに重ならず右奥から、それぞれ波のブレイクを確かめるようにスモールライドが続いていた。そこにいきなり、ユージローのバックサイドが炸裂した。この日一日を通しても滅多に入ってこないライトブレイクを完璧なタイミングでキャッチ。前大会のクラマスでも見せてくれた伝家の宝刀バックサイドパフォーマンスが切れまくった。1発目はボトムトゥトップのストレイトアップリッピング。スピードと角度もバッチリ。ズバーンと目にも留まらぬ鋭さでボードを綺麗に返したとたん大量のスプレーがバシュー。そこから間髪入れずに2発目。最初とはアレンジを変えてダンパーのリップをなめるようにフィニッシュー。外の雨で閉じ込められた選手テントの中はウォーという興奮に包まれ。ジャッジが下した評価は7.25。この日一番のハイスコアだ。
そして、ここからが今大会のハイライトだった。ハイスコアの余韻に浸る間もなく決定的瞬間が訪れた。あっという間にパドルバックしたユージローが今度はレフトをキャッチ。バキーンと張ったショールダーが目の前に張り出し、すかさず、チョーン、チョーンと、気持ちいいリズムで加速しながらインサイドのダンパーセクションに飛び込んでいく。そこで狙いしましたオーリーループ。空中を綺麗にホバリングしながら回るユージロー。着水もストレスなくスッとメイク。JPSAファイナルで初めて見たオーリーループ完璧メイク。しかもそれが、優勝を決める一発となった。
表彰式を待つステージ下で、「ユージロー達、四国ボーイズにはやられっぱなしだなー。」と、小川直久がユージローに熱い激励をとばしたところ、「何言ってるんですか、直久さんこそ、生見で2回も優勝しているじゃないですか。」と切り返し、小川直久も大笑顔。プロ中のプロ達が魅せてくれたホットコンペティションの素晴らしさを再認識させてもらった。

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