洞爺湖サミットは無事に閉幕した。だがむなしさだけが残った。温暖化サミットと注目されたにしては、地球温暖化防止にむけて世界各国の足並みはまったく揃っていなかったし揃えられなかったからだ。温暖化による地球環境悪化が目に見えるだけでなく様々に加速し続けているのは今や常識。なのに地球危機に際して自国の思惑を超えられない諸国の首脳達。裏も表も世界人類の危機は待ったなしの領域に踏み込んでいくのだろうか。
資源大国でありながら発展から取り残されたアフリカ諸国や、後進国から自力で脱出し発展してきた中国やインドの言い分も解る。これまで世界を牛耳ってきた先進G8の責任は大きい。だが地球環境悪化はもっと深刻だ。世界の屋根ヒマラヤ山脈だけでなくアフリカ大陸の屋根キリマンジェロ山の氷河激減。アメリカ穀倉地帯を襲う大竜巻と大洪水。そして北極と南極におけるさらなる温暖化。誰が見ても地球環境がおかしくなっている。この先どうなるのか。地球環境悪化はストップどころか負の連鎖となって想像できない勢いで進行していくように思える。
サーフィンで環境サミットを開催するとなれば、砂の減少が続くビーチ環境の悪化がトップテーマになることは間違いない。港湾施設拡大や河川改築、ダム建設など自然破壊でもたらされたビーチの砂の流出は止まるどころか現在も進行中。砂が戻らず地形がドン深になってブレイクしづらくなったなんていうのが日本全土で当たり前になってしまった。ビーチの景色、砂の変化、そのダメージの深刻さは30年以上のキャリアをもつ全国各地のベテランサーファーなら骨身に染みているはずだ。
ブレイクが変わればサーフィンが変わる。サーフィンが変わればカルチャーが変わる。カルチャーが変わればサーファーが変わる。それでも波があるかぎり、サーフィンは楽しむことが出来る。だがこの先に起こる環境変化で波が消滅してしまったら、サーファーは生き残れない。いなくなるしかない。波が基本。波のある場所もサーファーの基本だからだ。地球自然の恵みである波に揺られるのが楽しい。サーファーでいたい。それなら今ある波環境をそのまま未来に繋げる。それが地球温暖化防止にむけてのサーファーの仕事だろう。エコライフでCO2削減、ビーチクリーン、グリーントラストなど、個人的に出来ることはなんでもある。さらにその上に、海と陸の狭間にある波の中で生きていくために、サーファーならではの視点で行動することが求められる時代になってきたと思われる。