波乗りでん助

~ サーフィン総合研究所 ~

ノースショアで伝承完成。サーファー太田親子の絆。

12月 26th, 2015 · No Comments

息子の拓杜(タクト)をノースショアで通用する、とくにサンセットで通用するサーファーに育てる。それが父親である仙台出身のプロサーファー太田正俊(46歳)の願ったストーリーだった。そしてそれはタクトにとって2シーズン目となったこの冬のハワイで見事に結実し花開いた。
でん助がタクトのサーフィンを初めてみたのは、パイプラインマスターズ開幕の前日、パイプラインチェックの後の帰り道だった。中学3年生で13歳の太田タクトが6ftのサンセットを軽快にベーシックなラインで楽しそうにクルーズしていた。そして歩道近くのブッシュの影には父親のまんちゃん(正俊)がいつも通りに、まるでお地蔵様のような静かな表情で息子のマニューバーに視線を向けていた。
タクトがサーフィンを始めたのは小学2年生。そのとき父親は1994年からスタートした11年間のプロ生活から引退。地元でサーフショップを営みながら親子でサーフィンの毎日だった。それからタクトの成長に合わせ、まずはインドネシアのバリ、レイキーピーク、さらにはニアスとステップアップ。日本とは違う環境でサーフィンの楽しさを伝えていった。しかし、あの東北大震災に遭遇。生活のベースをすべて失ってしまった。しかし親子のサーフィンへの情熱はまったく変化なし。いやそれどころか、ついに昨年冬に初めてノースショアでサーフ。だが、まだまだ未熟さを痛感した親子は、この冬はノース入り前にメキシコのプエルトエスコンディードへと寄り道。掘れたパワーブレイクに身体を慣らしてからノースショアへと乗り込んできたのだ。
オフザウォールやバックドアといったステージでは、波だけでなく熾烈なサバイバルが待っている。それだけにサーフィンのスキルが絶対に必要。そして、それを身につける術を息子に伝えた父親。受け継いだ息子。プロを目指すというタクトが今後さらにステップアップできるかどうかはタクトの努力しだい。でん助としては、一足先に世界へと飛び出したカノア・イガラシや大原ヒロトに追いつき追い越せるような存在になってほしい。

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