鵠沼の旧スエヒロ前で開催されていたWSLの湘南オープンが終了しました。
準決勝で優勝候補筆頭のカノア・イガラシを下して勢いに乗ったカイトだったが、決勝で待ち構えていたブラジリアンのルーエル・フェリーペは1回戦でノーグラブのエアリアルで今大会唯一のパーフェクト10を叩き出したという、カノアに負けず劣らずのハイパフォーマーで、これも優勝候補と下馬評高く勝ち上がってきた強敵だった。ファイナルヒートがスタート。難しい鵠沼のオンショアスモールコンディションのなかから7ポイント、8ポイントと、フェリーペがあっという間にリードを奪い、一時はコンボの差を付けたが、さすがにカイトも意地を見せて8ポイントを稼ぎだして一発逆転可能のところまでは持ち直した。しかし残り時間が刻々と過ぎ、カイトが待っているところに待っている波はヒットしてこない。そして残念ながらタイムオーバー。一足遅れて海から上がり、セレモニー会場に入り、ステージ上に上がったカイトの表情には悔しさが溢れていた。
フェリーペの今大会を振り返ってみると、優勝を決めたファイナルヒートだけでなく、波が大きかろうがオンショアのジャンクだろうが、常に先手を取ったヒート展開で楽勝ペースで勝ち上がっていった。タフな精神力と実力はまさにワールドクラス。こんな実力を兼ね備えていても、本国のブラジルではノースポンサーで2軍扱いの境遇だそうだ。つまり。フェリーペでは勝てない選手がブラジルには普通にゴロゴロいる。今まさに世界サーキットで吹き荒れているブラジリアン旋風はこれからもっと強まることになりそうだ。
優勝しなかったのが不思議に思えるくらいに、キレまくりのサーフィンを見せつけてくれたカノア・イガラシ。日本にいれば常に注目されるスターといってもいいくらいの存在なのだが、試合を終えると至ってクールで普通。しかし何気ない仕草や表情に、プロフェッショナルとしての雰囲気というか、風貌にも一段と磨きがかかってきた。このままCTへ突っ走っていってくれー! そしてワールドツアーで躍動する姿を見せてほしい!! 一日でも早いカノアのクォリファイを、でん助は願うばかりです。
でん助は、キノカイトがフェリーペをやっつけてファイナルかと期待したのだけど、世界の壁はまだまだ厚く高く跳ね返されてしまった。しかし試合後の本人は満面の笑顔。次に繋がる手応えを得たのかもしれない。
トリプル台風襲来のおかげで、5日間のコンテスト期間中ずっと波はオーバーヘッド。おかげでプロコンテストとしては見所満載の大成功。ビッグウェイブで世界の壁と直接対決。日本のトッププロVS世界から稼ぎにやってきた精鋭プロ達が見せるマニューバーの一つ一つにギャラリーの視線も釘付けだった。残念ながら最終日は湘南マジックで急激なサイズダウンとなったが、それでも優勝を目指す選手達のパフォーマンスはホットになるばかり。ビーチで観戦していた大橋応援団ギャラリー達はさらに釘付けとなり、雨の中で熱い声援をおくり続けた。そしてついに試合終了。
コンテストディレクターの近江さんもやっと笑顔。ごくろうさまでした。