世界チャンピオンとしてマスターズの決勝を戦ったパーコに敵はいなかった。
ノースイーストスウェルでよじれ上がる、およそパイプらしくないコンディションだったが、そこは世界一のバンザイパイプラインだ。たまに入ってくる4−8ftセットでバックドア&パイプラインもスリリングでグリングリン。今日しかない。30周年の今大会を機に引退するランディさんの決断の一言でパイプラインマスターズはファイナルデイがオンされた。
注目の2012世界チャンピオン争いは、初の世界チャンピオン獲得で世界一を決めたいパーコと、12冠を目指す絶対王者ケリーの一騎打ちとはならなかったものの、ダミアン・ホブグッドにジョシュ・カーという違った対戦相手を向こうに回したセミファイナルでついに決着。両者ともに一歩もひけをとらないチューブ合戦を展開する中で、ダミアンを下し一歩先にファイナルへと進んだパーコに対し、ジョシュ・カー相手に先手を取れずにズルズルと決め手を欠いたままケリーが敗退。オフザウォールのビラボンハウスから一部始終を観戦していたパーコは大歓声に包まれた。
終わりよければすべて良し。パーコVSジョシュと昨年に続きオージー選手同士の決勝対決となったパイプラインマスターズは、世界チャンピオンを決めた勢いそのままにパーコがバレルを射抜いて優勝。世界チャンピオンにパイプマスターズとダブルタイトル獲得といううれしい結果に、ケリーとの激しいポイント争いを見守ってきたものとしては正直ホッと胸のつかえがとれた感じ。表彰台のパーコも満面の笑顔で世界チャンピオン獲得の喜びをクールに噛み締めていた。