ノースショア2090−2010ウィンターは堀口真平が大活躍。ジャパニーズ達の先頭に立ってサーフしまくり、ノースショアライフを大いに楽しみまくっていた。
真平のノース歴は27年。自分の年齢そのままがノース歴というんだから、ちょっとやそっとの外人プロに比べたら年季が違うし、気持ちに入っている筋金もちがう。半分は日本人だけど、あと半分はノースショアボーイといってもいいだろう。物心がついた頃にはサンセットのショアブレイクからサンセットポイントへデビュー。ブライアン・スラットさんを筆頭にサンセットローカルにもかわいがられ、あっという間に沖のピークからダウンザラインでインサイドボウルへとチャージするようになり、ワイメアにデビューしたのは15歳の冬だった。サーフィンの国ハワイであっても真平のステップアップは超スピード。毎冬恒例の堀口家ノースショア長期家族ステイがはぐくんだ結果であることは間違いない。
同じロックダンスチームには10歳年上のワキタという先輩が控えているが、ノースショアコミュニティーの認知度でいってもワキタと真平はほぼ互角。正直エディーに出場したワキタの方がハワイの一般ピープルからすれば一枚上だろうが、サーフィンスキルの認知度でも真平はジャパニーズトップのビッグウェイブコンペティターと認められた存在だ。今シーズンのノースショアでは5ヶ月近い長期ステイを実行。サンセットを拠点にワイメアはもちろんのこと、パイプライン、バックドア、オフザウォールと、メジャースポットで精力的にハードブレイクを追い続けてきた。とくにオフザウォール&バックドアでは、目の前に位置するビラボンハウスの一員としてステイしながら、世界のトッププロに混じってのセッションで得意のチューブパフォーマンスを連発。ジャパニーズプロの実力を世界にアピールし続けていた。
「シンペイ! この冬はとくにノースの皆から声をかけられました。認められてきたような気がします。コンテストでフリン・ノバック、ラブ・ホーデル等の重要人物を倒せていけたところが良かったんですかね。それに、いい波に乗れてます。いい波をキャッチする、いい波をとる、そこのところは普段から特に意識してるんところです。」
「海の中では常に自分のポジショニングを演出してますね。つまり場所取りです。ワイメアなどはとくにですけど、スッと沖に出るのではなくて、いつの間にか先頭にいる。カレントに流されながら奥に入っていく、そんな感じです。それで奥から2〜3本上手く決められればリズムをつかんでいける。こいつは行けるんだなと入っているメンバーに認めてもらえば乗りやすくなるものです。ワイメアで勉強させてもらったことですけど、『この波を決める』という時には、自分にも分からないくらいにパワーが凄い出てくるんですね。混雑する時も、より場の空気を見て、この方法でクリアーしてます。だからといって、タイミング(人、波)を見ずに行動してしまうのは当たり前ですけどマズい。」
「今日は波が良かったんで、午前中はワイメア、午後からはサンセットでやりました。サンセットはインサイドボウルを決めて最高! 6ft+ぐらいでした。ワイメアではニューボードのテストをしました。赤いトコロの9’8’’です。シェーン・ドリアンからディメンションを聞いてトコロさんにデザインしてもらいました。」
「ビラボンハウスではタヒチのメンバーと再会して、また親交が深まったりして、上手いサーファーと一緒に生活すると波乗りのリズムが自然と知れてくるんです。人種なんか関係なくて、サーファー同士でコミュニケートしていく。」
「ビラボンハウスのロケーションは最高! 上から広くオフザウォールからパイプラインまで海全体が見える。それぞれのポイントの波全部の姿を把握できる。どっちのうねりだと波はどうなる。見ているだけで良く分かる。」
「ポイントの目の前がビラボンハウスだから、海に入っていてアカンと思ったら、すぐに上がれるところがいい。気分とか、リズムとか、混雑とか、上がってコーヒーを一杯煎れれば意外とクリアーになっていたりする。そうすると、いいタイミングでパドルアウトできる。普段は波チェックする場所で生活できる。こんないいことはない。」
「いい波乗り込んだ。今日もオフザウォールで抜けました。でも、パイプだけ残ってるんですよ。ハワイには出来るだけ長く滞在するようにしてるんですけど、まだパイプは決められへん。悔しい。リズムがつかまえられない。自分がパイプラインという海を全部分かってない。だから乗れないんです。人の動き、一瞬のスパークのチューブ、波の形、スピード、とにかく全部が全部分かってないと上手く乗れない。ヴェルジーランドとは訳がちがう。自分が間違ったことをすれば死んでしまう。自分を信じられるかということ。」
「今シーズンは波が大きくて、いい波でした。ワイメアは覚えているだけで7回。そのうち20ftオーバーが4回ありました。さらなるステップを刻めたという手応えを感じています。ポジションであったり、パドルのスキルであったり、いろいろと確認作業もできました。とくにエディがキャンセルになった日はいろいろなことを学んだ日でした。ピークの位置とポジショニングスペースの確認。そこで見たシェーン・ドリアンの動き。あの日にこそ、肌で学ばなくてはならないことがたくさんありました。」
「僕らは波乗りが命のやり取りなんですからメイクすれば達成感はあります。それが出来るハワイは最高やし。今年はいい経験をさせてもらえました。この達成感と充実感は他のどこにもない。」
「何をせないかんかは決まって来る。波に気づかされて上がってくるんで、、自分の足りないことが自然と解ってくる。」
「一緒に入っている皆を先に波にのせるのが好きで、それにハマってるんですよ。来る波全部を皆で乗っていった方が楽しいじゃないですか。それに、Go! と声をかけるのは自分にも返ってくるんです。お互いにプッシュできあえたらいいでしょう。」