ハイポイント8,83をマークして堂々のトップ通過。チャンネル9の取材に答えるマーの表情はクールだった。
8ー10フィートの波がグ、グォーとほれ上がってくるところに渾身のリップアクションを3連発。大野マーが演技を終了した瞬間。オフシャル&選手控えテントの中は大きな歓声と拍手に包まれた。奥過ぎない手前のポジションでショルダーの高さがあるノースウェストを狙う作戦が見事に決まった瞬間だった。最初の1本目はテイクオフポジションとブレイクがずれてノーアクションで失敗。それから10分以上が経過しヒート終盤にかかる勝負所で決めた快心の1発。マーは一気にトップに躍り出た。
ネットのライブカメラではどう映し出されたかはわからないがサンセットのコンディションは最悪だった。朝はトレードでピカピカとした綺麗なブレイクだったが、マーの出番となる11時頃にはサイドオンショアの北東風と大粒の雨が横殴りの嵐となって海面は真っ白。大チョッピーが吹き荒れるなかで、カレントが渦巻き泡立つサンセットの広いフィールドの中から、ベストチョイスでセットをつかみ出すというのは確かな目と勘がなせる技。プロコンペティターとしてのマーのスキルがものをいった瞬間だった。
トリプルクラウン緒戦ハレイワで惨敗しこれ以上ランキングを下げられないマーには負けられない意地があった。WCTを目指して来シーズンこそ勝負の年と考えているだけに、今シーズン最後のWQS6☆で少しでも上位へ食い込みポイントを稼ぎ、WQSランキングのシード権を少しでも上に引き上げておきたいからだ。
次はR96、さらに次はトップシードが登場してくるR64とコンテストは上位戦へとステージを上げていく。来シーズンに懸ける意味でも必勝が求められる大事なスタートヒートを快心のライディングで気持ちよく勝ち上がったマー。明日からの戦いに確かな手応えをつかみ取ったはずだ。ずっと積み重ねてきたことが今開花しようとしている。