一期一会。会いたい、話がしたいとずっと願っていたカリスマシェイパー、ウェイド・トコロにインタビューすることが出来た。純粋日系ハワイアンのウェイド・トコロは現在のハワイでトップ・オブ・シェイパーと断言できる。なぜならハワイ中のサーフポイントでウェイドシェイプのボードを見るからだ。ワイメアの20フィートオーバーからタウンサイドのシークレットビーチ。さらには冬のシーズンになるとやってくる世界のトップWCTメンバーズもウェイドがシェイプしたボードの上にスポンサーシールを貼って試合に臨んでくる。とくにここ最近のウェイド人気は凄まじく、プロフェッショナルはもちろんのこと、ノースショアのビーチにいると登場するローカルボーイズにもとことん愛用されているのが見ていて解る。ハワイ中に幅広く浸透していると実感できるくらいだ。
このウエイド人気はなぜなのか。それをデン助がリサーチすると「素晴らしい乗りやすさ」に行き当たった。
スピードが出て自由自在。マニューバーを面白いように操れる。サーファーのマニューバーイメージに的確に応えてくれるカスタムサーフボード。そんなボードをサーファーが手放すはずがない。
実際の年齢よりもずっと若く見えるウェイドも今年41歳。絶大な人気が絶大な信頼に変わって10年。ウェイドのシェイプマジックは現在のハワイアンサーフィンを支えていると言ってもいいかも知れない。
ウェイドは2歳下の弟ケリーと2人兄弟。毎朝5時頃には起床してまずはサーフ。そして8時すぎにはシェイピングルームに入って仕事スタート。午後は遅くまで仕事で7時に終了。1日10本のシェイピングに手をかけるそうだ。それが週5日。そんなペースがここ9年あまりずっと続いている。もちろんきっちりサーフィンと仕事は両立する。ウェイドは優れたシェイパーであると同時に、サーフィンが素晴らしくうまく世界中のプロフェッショナルが認めるグッドサーファーだ。しかもパイプラインが大好き。脇田のパフォーマンスを支えるパイプボードはラインナップの現場でデザインイメージが作られているのだ。
1986年に初来日。最初の1年目はドロップアウトで仕事。翌年からは添田博道のSSJ専属となり毎シーズン来日。日本のウェイド愛用者にカスタムシェイプを作り続けている。今シーズンのボードはノーズをローに取ったニューロッカーとディープコンケーブのマッチングが特徴。ファーストなテイクオフとイージーなターンに磨きがかかっている。USA某社スポンサーのグーフィーBMがFijiの試合で使用。敗退はしたもののグッドフィールだったというリポートが届いたとウェイドは喜んでいた。
「It’s Fun.」
ウェイドにとってのシェイピングの神髄を一つの言葉で表してもらった。ファン。面白い。それだけ。サーフィンと同じ。シェイピングも楽しいんだよ。そういってウェイドはギョロッと眼光鋭い視線を投げ掛けながら笑顔になった。仕事も含めて何もかもサーフィン。ハワイアンらしくお手本になるようなライフスタイルを貫き通している。
ウェイドと次ぎに会った時また別の話ができるのが楽しみになった。
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