バテンス・カラヒオカラニというサーファーをご存知ですか。
スティンガーと名付けられたハイウィングフィッシュテイルデザインを世に送り出したシェイパーはベン・アイパ。そのスティンガーを見事に乗りこなし革新的なラウンドハウスカービイングマニューバーで世界中のサーファーの度肝を抜いたのがバテンス・カラヒオカラニさんだ。今年でちょうど50歳。今はサンセットのバックヤーズから少しベルジよりの家にタヒチアンのガールフレンドと暮らしている。そこにこの冬、鎌倉稲村ガ崎で生まれ育った抱井暖が生まれて初めてのノースショアステイの真っ最中です。
長期ステイで初のノースを満喫する暖。でもバテンスとくれば、40歳以上のサーファーにはピンと来るものがあるはず。そうです。暖の父親の保徳氏がバテンスさんに暖のケアを頼んだのです。バテンスさんがアイパのライダーになったのが16歳。ノーズのファイアーデザインが流行ったでしょう。そして18歳からはローカルモーションに移籍。この時初来日して新島で優勝するなどバテンスさんのパフォーマンスが日本中に知れ渡りました。そしてこの初来日でバテンスさんと保徳氏は出会っているんです。
バテンスさんに暖の印象を尋ねてみました。
「カカイの息子をケアできることを名誉に感じているよ。嬉しいよ。暖と話していると時間が30年前に逆戻りして父親とイメージがダブルこともある。親子だからそっくりなところがある。暖はいいサーファーだよ。サーフィンのセンスもいい。それに人の言うことを素直に聞いて正しく理解しようとしている。俺を信頼してくれてもいる。その気持ちが伝わってくるから俺もそれに応えるつもりさ」。
12月に入ってすぐの抱井暖初ワイメアセッションについても聞いてみた。
「ワイメアに行くぞ。そう声をかけたときの暖の表情は面白かったね。え、本当? 出来るの? 俺も行くの? あきらかにビビってたよね。でも暖は俺を信頼して9′6”をもってワイメアのビーチに出てきたんだ。ワイメアで一番大事なことはセイフティファーストということ。俺は知っていることのすべてを暖に伝えた。ワイメアガンの扱い方。パドリングの仕方。エントリーの方法。チャンネルの越え方。ポジショニング。セットの入り方。テイクオフパドルの向きとか。プルアウトまで。とにかくすべてを伝えたんだ。そしてテイクオフしようとしている暖にゴー!ゴー!と大きく声をかけた。暖はやってくれたよ。暖はグッドリスナーだな!(大笑い)」。
チャンスとラッキー、そしてそれなりのコネがなければなかなか難しいことだが、ノースショアに長期ステイでサーフィンするには海の近くに済んでいるサーファーのお宅にお世話になるのが一番上手なステイ方法。レンタカーは借りなくて済むし、わからないことは教えてもらえるだろうし、なによりローカルの感覚で海に向き合えるのがためになる。バテンスさんのような人が一緒の家にいてコーチみたいにサーフィンしてくれたら鬼に金棒。大きな波にでもどんどん乗れるようになること間違いなし。ソリッド15ftの初ワイメアから一夜明けた翌日。10フィートのハレイワで暖はグッドマニューバーを連発。バテンスさんも大喜びだった。
0 responses so far ↓
There are no comments yet...Kick things off by filling out the form below.
Leave a Comment